NVC(非暴力コミュニケーション)について vol.1

び場で重視している心理的安全性のある場を創るために重視しているNVC(非暴力コミュニケーション)についてシリーズで解説してみたいと思います。
1.NVCとは何か?NVCを阻むものとは?
2.観察(Observation)とは?
3.感情(Feeling)とは?
4.ニーズ(Needs)とは?
5.リクエスト(Request)とは?
今回はNVCとは?そしてNVCを阻むものについて解説したいと思います。

1.NVCとは何か?

NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)とは、コミュニケーションにおいて相手とのつながりを持ち続けながら、お互いのニーズが満たされることを目指して話し合いを続けていくという、共感を持って臨むコミュニケーションの方法です。

カール・ロジャ-ス博士の弟子のマーシャル・B・ローゼンバーグ博士によって体系付けられました。

頭(思考)で判断・批判・分析・取引などするかわりに、自分自身と相手の心(ハート)の声に耳を傾けて、今の感情(Feeling)・ニーズ(Needs)を明確にしていくことで、お互いの誤解や偏見からではなく、心からつながりながら共感を伴ってコミュニケーションをすることを主眼にします。

具体的には、「観察(Observation)」「感情(Feeling)」「ニーズ(Need)」「リクエスト(Request)」の4要素に注目しながら、コミュニケーションで起こっている問題・ズレを整理していくという方法をとります。

興味ある方は是非読んでみるといいと思います。

なぜ、NVCに着目するのか?

理由は3つあります。

1.ある保護者から「人の話や言葉の裏にある思いや考えを傾聴する力を発揮し、自分とは異なる視点・価値観・生活様式を持つ人を受け容れ、創発的にアイデアを生み出せる力」を子ども達に学んで欲しいという夢を共有してもらいましたが、まさに違いから学ぶためにNVCは優れた在り方で子ども達とのコミュニケーションにも取り入れていきたいと思っています。

2.自分は前職でもび場でも人が変わる(変容する)瞬間に立ち会うことに喜びを感じます。特に前職では、構造改革・組織改革の中で事業部長や各部門の部長など役割や年齢・立場を超えて対話をすることで個人の行動変容から組織の行動変容に立ち会う経験を多く得ることができました。つまり、命令や権威、相手よりも優れた経験や知識によらなくても一緒に行動変容のプロセスに入っていけるという信念を得ました。そうした経験を振り返り、自分がどのようなコミュニケーションをしていたかというと、まさにNVCに近いコミュニケーションを実践していたな~という自分の成功体験からNVCに価値を感じています。

3.また、び場の運絵には外国人のスタッフや、様々な異なる経験をしたいわゆるシニアのスタッフの方々に参画していただいています。そんな多様性が高いということは前職に比べると、文化やステレオタイプ、暗黙の前提が異なるのでマネジメントの難易度は高くなります。しかし、そんな多様性の中からお互いの違いから学びあい、び場をよりよくしていくためにNVCのようなコミュニケーションを運営チームの中でも実践していきたいという思いがあります。つまり、自戒を込めて、参考情報を書く中で振り返りながら自分自身の成長につなげていきたいという狙いもあります。

3.NVCを阻むもの

NVCはテクニックというよりも、私たちがコミュニケーションをどのように「知覚」するかという在り方、Beingに近いものがあります。ではどのような在り方がNVCを阻みやすいのか、(詳しくは次回以降解説していきますが)いくつか例を挙げてみます。

1.すぐに道徳を振りかざす
自分の価値観にそぐわない相手を「不道徳」であるとすぐに裁く、ジャッジする在り方。人を分類し裁く行為は、相手が悪い間違っているから罰をうけて当然という前提をしばしば含むので暴力を助長します。

2.すぐに比較する
比較するというのは何か自分の価値観や枠組みにあてはめ相手を理解しようとする行為です。つまり比較することの本質は、1と同じくジャッジすることにあります。

3.責任を回避する
「私の意思にかかわらず~しなければならい」という表現がありますが、これは自分の思考や感情、行動に責任があるという自覚を鈍らせます。他者の行動は自分の感情を刺激することはあっても、感情そのものと感情から誘発される行動の原因ではありません。

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