参考情報:書評:子どもは40000回質問する(1/4)

イアン・レズリーの「子どもは40000回質問する あなたの人生を創る好奇の驚くべき力」を読み直しました。び場の運営の際のネタ本の一つですが、好奇については過大評価や誤解もあるので一度シリーズとして解説したいと思います。

第一回:今、好奇心がなぜ大事なのか?

1.学びにアクセスできる環境の変化
インターネット技術の発展に伴い、①様々な情報・知識にすぐにアクセスできるようになったこと、②社会の要請により様々な学びがインターネットを通じて安価にまたは無性に提供されるようになりました。(例:カーン・アカデミーやMooc、スタディアプリなど)

一方で、こういったオンライン教育で学習目標を達成するには並大抵の好奇心やモチベーションがないとできないこともわかっています。(Moocの単位達成率は約1割ほどといわれています)

つまり、今までは塾などに通うかどうかの情報格差が学びの格差になっていましたが、今では好奇心格差が学びの格差に直結する時代になりました。そして現代は知識創造社会であり、学びの格差は職業選択と所得の格差にもつながってきます。

2.「学ぶ力」と「好奇心」の関係性
好奇心と学力は密接な関係があると直観的に感じますが、実はこの関係性を科学的に証明されたのは比較的最近のことです。その研究では、学力に強い相関があるのは「勤勉性(粘り強さ)」と「好奇心」が2大要素だと証明しました。

以前、紹介した”Learn Better”に関連付けて、好奇心が「学ぶ力」につながるか関係性を説明を試みたいと思います。 (ここは自分の考察です)

“Learn Better”が定義した良い学びを実現するには以下のプロセスが重要となっています。

1.価値を見出す
2.目標を設定する
3.能力を伸ばす
4.発展させる
5.関連付ける
6.再考する

好奇心が強いタイプは、①新しいことを知ることそのものに価値を見出し、②新しく知ったことと自分が知っていることを比較したり関連付けることや、③知ったことを振り返り次は何を調べようか計画することを好みます。

つまり、好奇心が強いタイプは、

1.価値を見出す
5.関連付ける
6.再考する

については条件を満たしやすくなっているのです。

3.ポイントは「労力」

ここでポイントは「好奇心」とは労力をもって鍛えられるものであり、また鍛える必要があるものだということです。そして、この「労力」こそが見落とされているポイントになっています。このことについてはシリーズを追って解説したいと思います。

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