少し視点を変えて北欧型の社会についての記事を紹介します。
現在様々な日本の社会システムが制度疲労を迎えており、教育を含めて様々な改革の必要性が叫ばれています。その時にモデルケースになることが多いのが北欧諸国やオランダなどのベネルクス3国といった”北のヨーロッパ”です。
様々な指標で評価の高い国々ですが、どのような価値観を土台として制度が運用されているかを知ると、北欧型の政策を採用すると日本がどんな社会になっていくか見えてくるのではないでしょうか。
ウォッチしている橘さんの論考です。
◆北欧は、「新自由主義(ネオリベ)型福祉国家」に変貌していた
http://diamond.jp/articles/-/93415
ポイント:キーワードは「自由で自立した個人」
抜粋
スウェーデンの「積極的労働市場政策」は、つねに向上し努力する個人が報われるシステムで、それは逆にいえば、「自立した個人でなければ生きられない」社会だということなのだろう。
◆「自立した自由な個人」により成り立つスウェーデンの高福祉。
移民流入により、その社会実験の結末はどうなるのか?
http://diamond.jp/articles/-/93516
ポイント:フリーライダーに対する制度設計上の許容率の低さ
抜粋
「北欧モデル」とは自由で自立した個人を前提として、すべての国民が自分のできる範囲で「がんばって働く」ことは当然とされており、「働けるのに働かない」者がいることは制度として考慮されていない。
もちろんどんな社会にも福祉に依存する以外に生きる術がない者が一定数いることは避けられない。南のヨーロッパや日本では、これまでこうしたひとたちは家族が面倒を見ることで顕在化しなかったが、
個人主義を徹底する北欧社会では家族のバッファーが薄いため福祉依存が目立ちやすい。
◆懲罰的な意味合いの強い日本と違う
幸福度世界第3位のデンマークの「自己責任」論
http://diamond.jp/articles/-/164058
キーワード:「自己責任のとれる自律した個人」
抜粋
デンマークで暮らす鈴木優美氏は、日本語の「自己責任」には「自業自得」「因果応報」というニュアンスが込められているが、デンマーク語では「他人/公への必要以上に拡大した依存心を減らして、自分でできることは自らの力でかなえるべき」という「強い者の(援助なしでの)自立」を謳っているように感じられるという。
ここで興味深いのは、「高齢者を大切にして、家族の温かさを取り戻そう」という政府の「道徳キャンペーン」に対してアンケートに答えた75%の国民が、「家族が高齢者の面倒を見ることを法律で義務付けるのは反対」とこたえていることだ。デンマークの息子や娘たちは、親の面倒を見ることで自分たちの「自由」が侵害されることを理不尽だとして、高齢者の面倒はこれまでどおり国・自治体がみるべきだと考えているようだ。
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