今日は「Learn Better」という本がとても参考になったので4回のシリーズを通じて解説してみたいと思います。
Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
第一回:価値・目標・再考について
この記事で解説します。
第二回:メタ認知について
https://www.biba-labo.com/theory/20180923/
第三回:フィードバックについて
https://www.biba-labo.com/theory/20180930/
第四回:説明できることの重要性と分散学習
https://www.biba-labo.com/theory/20181007/
◎「学び方」をよりよく学ぶには?
この問いに対して、経験則ではなく様々なエビデンスに依拠した再現性の高いプロセスを示したのがこの「Learn Better」という本です。
正直、「学習方法」を題材にした本の中には根拠も裏付けもない個人的な体験をもとに書かれている本が多いのですが、この本はここ何十年間前からここ最新の様々な心理学や脳科学の知見を体系的にまとめあげたスゴ本です。
本の所々で、抜き打ちテストが出題され、それに答えるもの面白いです。
とりあえず「学習方法」という切り口であれば、類似の本を10冊も買うよりもこの本1冊読んでおけばいいのでは?というくらいのスゴ本です。
まずはいくつか書評を紹介します。
①教育関係者の人?の書評
②本のなかでもハイライト箇所を多く引用している書評
https://ameblo.jp/resonancereading/entry-12400112954.html
び場で現時点の子どもたちへの関わりをこの本のステップに基づいて解説してみます。
1.価値を見出す
2.目標を設定する
3.能力を伸ばす
4.発展させる
5.関連付ける
6.再考する
このうち、二学期で特に力をいれるのは1と2と6なのでそこに絞って解説します。
1.価値を見出す
学びは「価値を見出す」ことからスタートします。
自分事として学習に「関与」すれば、学びが深まるというのは実感としてもあたりまえですが、学校では「時間割」で進む学校ではなかなか自分事化することはとても難しいと思います。
なので、び場では子どもと目標を一緒に決める際に「自分事」化を進める問いかけとして、
①それを頑張ると○○君にとってそもそもなにがいいの?
②学んだことは自分の生活にどう役に立ちそう?
③どうすればもっとわくわくする?
といった問いを一緒に考えるようにしています。
特に子どもたちにとっては、まだリアリティーの低い「将来のため」ということだけではなく「わくわく」や「よろこび」といった情動とのリンクを持たせるようにしています。なぜなら情動とのリンクが探求心などにつながることが分かっているからです。
2.目標を設定する
大前提として子どもたちに教えているのは学習とは困難を伴うものであるということです。このことは英語でもエウレカスクールでも子どもたちにはたびたび伝えるようにしています。
そのうえで、結果ではなくプロセス、つまり取り組み姿勢について測ることができる目標を重点的に決められるよう支援しています。(いまは取り組み姿勢が大事)
また、一人一人を見極め、少し「背伸び」する必要がある課題を日々の活動などで与え、そそのかし挑戦してもらっています。(そそのかすという言葉は語弊がありますが笑)
6.再考する
ここで重要なのは振り返りと分散学習です。振り返りは何回か触れたことがあるので今日は分散学習について解説します。
一言でいうと何度も復習をしましょうということですが、復習の仕方にポイントがあります。それはまとまった分量を、期間をある程度空けて何回も復習をしましょうという点です。
例えば英単語を毎日10個ずつ復習して一週間で70語復習するよりも、100個まとめて一週間に一回復習するほうが記憶の定着率はいいということです。
(自分も英単語を高校受験の前にたくさん覚えた際は同様の方法でした)
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